マッチングした相手は片想いの社長でした
その言葉で、すぐに思い当たった。

「一人一人の夢が実現する会社、ですよね」

春樹さんが少し驚いた顔をする。

「ああ。よく知ってるね」

「ええ。社長のブログに載っています」

「ははは、あれを見てるのか」

「結構面白いですよ」

「ありがとう。それでね」

そこで春樹さんの表情から笑みが消えた。

「重役達に『若造が何言ってるんだ』って言われた」

「え? 古い人達ですか?」

「親父の代からのね」

信じられなかった。

春樹さんは社長だ。

この会社をこれから作っていくのは春樹さんなのに。

「そんな……社長は春樹さんなのに」

春樹さんはグラスを見つめた。

そして、小さく息を吐く。

「俺は何も言えなかった」
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