マッチングした相手は片想いの社長でした
「春樹さん……」

「それが何より悔しかった」

初めてだった。

こんな春樹さんを見るのは。

いつも完璧で、自信に満ちていて、誰にも弱みなんて見せない人。

そんな彼が今、私の前で悔しそうに俯いている。

気づいたら、私は立ち上がっていた。

春樹さんの隣に座る。

そして――抱きしめた。

自分でも大胆なことをしていると思う。

それでも離れたくなかった。

「那奈」

驚いた声が耳元に落ちる。

私は春樹さんの背中に腕を回した。

「私が癒してあげる」

こんなことを言えるのも、今夜だけかもしれない。

だから今だけは、好きな人の力になりたかった。

「ああ……那奈」

今度は春樹さんの腕が私の身体を包んだ。
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