マッチングした相手は片想いの社長でした
春樹さんがグラスにワインを注いでくれる。

「乾杯」

小さく音を立ててグラスを合わせる。

二人だけの静かな部屋。

一週間、ずっと欲しかった時間。

それなのに、嬉しくなればなるほど、胸の奥に押し込めていた寂しさまで顔を出してきた。

春樹さんが私をじっと見る。

「もしかして不安だった?」

私はグラスを握ったまま俯いた。

「だって……連絡ないから」

言ってから後悔した。

面倒な女だと思われたらどうしよう。

私たちは恋人だと約束したわけじゃない。

連絡を求める権利なんて、本当はないのかもしれない。

「悪い。仕事が立て込んでしまって」

責めるつもりなんてなかった。

それなのに、その声を聞いた瞬間、張り詰めていたものが緩んだ。
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