マッチングした相手は片想いの社長でした
私は春樹さんに抱きついた。

「寂しかった」

背中に腕が回る。

「これからは連絡するよ」

「うん……絶対だよ」

胸に頬を寄せると、大きな手が髪を撫でた。

その優しさが嬉しくて、ますます離れられなくなる。

「ずっと会いたかった。那奈」

「嘘よ」

思わず言ってしまった。

春樹さんが私の顔を覗き込む。

「なんで?」

「だって会社で目が合わないもん」

ずっと気になっていた。

私がどれだけ春樹さんを目で追っても、一度もこちらを見てくれなかった。

あの夜を後悔しているんじゃないか。

会社では私なんて見たくもないんじゃないか。

何度そう思っただろう。

ところが春樹さんは、思いがけないことを言った。

「わざと見ないようにした」
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