マッチングした相手は片想いの社長でした
幸せだった。

だからこそ、苦しかった。

――この人には婚約者がいる。

忘れようとしても、その事実だけは胸の奥から消えてくれなかった。

それでも今は離れたくない。

好き。

どうしようもないくらい、春樹さんが好き。

朝。

薄く目を開けると、カーテンの隙間から柔らかな光が差し込んでいた。

隣には春樹さんがいる。

目が合った。

こんなふうに好きな人の顔を見ながら朝を迎えられるなんて、少し前の私には想像もできなかった。

「那奈」

「はい」

「ありがとう」

「春樹さん……」

春樹さんの瞳が、真っ直ぐ私を見つめる。

「那奈に支えられている」

その言葉を聞いた瞬間だった。

涙が頬を伝った。

「え?」

春樹さんが驚く。
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