マッチングした相手は片想いの社長でした
プロフィールに写真はない。

「三十五歳……会社経営」

思わず苦笑する。

「社長と同じじゃん……」

結局、こんなところでも社長を思い出している。

切なくなってスマホを伏せようとした。

でも――。

「……いいや。この人で」

顔も分からない。

どんな人なのかも分からない。

だからこそ、いいのかもしれない。

恋なんてしなくていい。

誰かと話して、少しずつ社長を忘れられればそれでいい。

『よければお話したいです』

文章を打つ。

一瞬迷ってから、送信ボタンを押した。

「……送っちゃった」

ベッドに寝転がり、スマホを見つめる。

五分。十分。三十分。

返信は来なかった。

「まあ……そうだよね」

私はいつの間にか、そのまま眠ってしまった。
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