マッチングした相手は片想いの社長でした
「でも……」

戸惑っていると、春樹さんの目が細くなった。

「俺が結婚してもいいのか?」

「それは……」

嫌だ。そんなの、嫌に決まっている。

答えられずにいる私を見て、春樹さんが少し笑った。

「嫌だろ。協力してくれよ」

「もうっ」

ずるい。私が春樹さんを好きだって知っているくせに。

「よし、決まり」

勝手に決められた。

でも、本当は嬉しい。

春樹さんの結婚を止めるためなら、私にできることはしたい。

食事を終えると、店員さんが伝票を持ってきた。

「お会計、二千円です」

私は財布を取り出した。

ところが春樹さんが先に支払いを済ませてしまう。

「社長、私の分……」

「いいから」

「ありがとうございます」

二人で定食屋さんを出る。
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