マッチングした相手は片想いの社長でした
会社へ戻るのだと思って歩き始めたところで、春樹さんが立ち止まった。

「ちょっと待って」

スマートフォンを取り出して、どこかへ電話をかける。

「俺だ。戻るのは遅れる。水野も一緒だ」

え?私は聞いてない。

電話を切った春樹さんに慌てて尋ねた。

「え? どこに行くんですか?」

「ドレス選び」

「……ドレス?」

私は目が点になった。

「その格好でパーティーに来るつもり?」

「だって、私、何も持ってません」

「だから買いに行く」

「今からですか?」

「今から」

相変わらず強引だ。

だけど不思議と嫌じゃない。

むしろ、春樹さんに連れられて歩くことが嬉しかった。
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