マッチングした相手は片想いの社長でした
思わず声が漏れた。

「着てごらん」

春樹さんに言われ、私は試着室へ入った。

こんなドレス、着たことない。

鏡の前に立つ。

「……私じゃないみたい」

いつものブラウスとスカートとは全然違う。

肩が出ているだけで妙に大人っぽく見える。

少し恥ずかしい。

カーテンの向こうに春樹さんがいると思うと、さらに緊張した。

「那奈? 着られた?」

「は、はい」

「じゃあ見せて」

覚悟を決めてカーテンを開ける。

春樹さんの視線が私に向いた。

何も言わない。その沈黙が怖くなった。

「……変ですか?」

「いや」

春樹さんが私を見つめたまま、ふっと笑う。

「うん、似合う」
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