マッチングした相手は片想いの社長でした
胸が大きく鳴った。

「ええ、素敵よ」

オーナーも笑ってくれる。

「本当ですか?」

「もちろん。あなた、こういう色がとても似合うわ」

鏡の中の自分を見る。

グリーンのドレスを着た私。

その隣には、スーツ姿の春樹さん。

まるで恋人同士でパーティーへ行くみたい。

そんなことを考えてしまって、慌てて視線を逸らした。

これはデートじゃない。

春樹さんの政略結婚を断るため。

私は協力するだけ。

それなのに――これを着て、パーティーに。

春樹さんの隣を歩く。

彼のご両親にも会う。

そして、婚約者だと言われている女性にも。

急に現実味を帯びてきて、胸が苦しくなる。

私は春樹さんの本当の恋人じゃない。
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