マッチングした相手は片想いの社長でした
あの夜、確かに私たちは抱き合った。

春樹さんの腕の中で眠った。

それでも、私たちの関係にはまだ名前がない。

鏡越しに春樹さんを見る。

目が合った。

春樹さんは、いつもの余裕のある顔で微笑んでいる。

その顔を見たら、少しだけ勇気が出た。

今はそれでいい。

恋人じゃなくても。

春樹さんが私に「隣にいてほしい」と言ってくれた。

だったら私は、この人の隣に立とう。

このグリーンのドレスを着て。

週末。私は春樹さんと一緒に、彼の世界へ足を踏み入れる。
< 70 / 295 >

この作品をシェア

pagetop