マッチングした相手は片想いの社長でした
「え? 春樹さんが?」

女性の声がした。

振り向くと、ピンク色のドレスを着た美しい女性がこちらを見ていた。

黒髪のロングヘア。

清楚で上品で、見るからに育ちがよさそう。

彼女は私を見るなり、表情を曇らせた。

嫌な予感がした。

「春樹さん」

女性がまっすぐこちらへ歩いてくる。

「君は確か、橘社長の……」

「覚えてくれてたのね」

彼女は嬉しそうに笑うと、いきなり春樹さんの腕に抱きついた。

胸がズキッと痛む。

「美里さん、よしてくれ」

春樹さんはすぐに彼女を離した。

「ひどい。婚約してるのに」

婚約。分かっていたはずなのに、本人の口から聞くと胸が締めつけられる。

春樹さんも驚いたように彼女を見た。
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