マッチングした相手は片想いの社長でした
その言葉に、私は小さく頷いた。

「うん」

春樹さんが微笑む。

「行こう。二人の世界に」

手を繋いで、私たちは会場を後にした。

同じホテルのロビーへ向かう。

さっきまでとは、繋いだ手の意味がまるで違って感じられる。

ホテルマンが私たちを迎えた。

「お部屋、こちらになります」

……お部屋。その言葉だけで頬が熱くなる。

そんな私を見て、春樹さんが何でもないことのように言った。

「ダブルベッドで取ったよ」

「……!」

やっぱり、そういうことなんだ。

エレベーターの扉が開く。

二人で中へ入った。

扉が閉まると、パーティー会場の華やかな音が遠ざかっていく。

静かな箱の中に、春樹さんと私だけ。

その時春樹さんの指が、そっと私の指に触れた。

一本ずつ絡むように、手を繋がれる。

私はその手を握り返した。

言葉はなかった。

でも、それだけで十分だった。

これは夢なんかじゃない。
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