マッチングした相手は片想いの社長でした

第9話 君との未来

春樹さんに案内されて部屋へ入った瞬間、私は思わず足を止めた。

「……すごい」

広い。それが最初に出てきた感想だった。

大きな窓の向こうには夜景が広がっている。

遠くまで続く街の灯りが、宝石を散りばめたみたいに輝いていた。

こんな部屋、テレビや雑誌でしか見たことがない。

そして今、その部屋にいるのは私と――春樹さん、二人だけ。

さっきまでエレベーターの中で繋いでいた手の感触を思い出すだけで、胸が落ち着かなくなる。

「シャンパンでも飲む?」

「シャンパン……?」

振り返った春樹さんが、いつもの余裕のある笑顔を見せた。

「このホテルのシャンパンは最高だよ」

そんなことをさらりと言えてしまうのが、やっぱり私とは違う世界に生きている人なんだと思う。
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