マッチングした相手は片想いの社長でした
私はどうなっちゃうの――。

そんなことばかり考えていた。

やがて春樹さんも湯船へ入ってくる。

近い。さっきよりもずっと近い距離に、また緊張してしまう。

「大丈夫だよ」

春樹さんが優しく笑う。

私は黙って彼を見つめた。

「ただ君を愛したいだけだ」

その一言で、涙が滲んだ。

「……うん」

「ずっと一緒にいたいんだ」

「うん……」

今度は堪えられなかった。

涙が頬を伝う。

春樹さんが私の手を握った。

「君が好きだ、那奈」

もう何も迷わなかった。

私は春樹さんを抱きしめた。

「うん」

ずっと聞きたかった。

夢の中でなら何度も聞いた。

だけど本当に欲しかったのは、この人の口から出る、その言葉だった。

「私もあなたが好き」

すぐ傍にある春樹さんのぬくもりを手放せなかった。
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