マッチングした相手は片想いの社長でした
「君しかいないんだ」

その言葉を聞いた瞬間、答えは決まった。

「うん。私も」

見つめ合う。

どちらからともなく顔が近づいていく。

そして、もう一度唇を重ねた。

昨日まで私は、春樹さんを忘れようとしていた。

叶うはずのない片想いだと思っていた。

それなのに今は――この人との未来を考えている。

夢みたいだった。

けれどその頃。

私の知らないところで、もう一つの話が動き始めていた。

春樹さんの社長室。

そこにいたのは春樹さんのお母様と、美里さんだった。

「まさか他の女を連れて来るなんて」

「驚きましたね」

「あんな女、油断していたわ」

お母様の声には苛立ちが滲んでいた。

美里さんは静かに微笑む。

「本当ですね、お母様」
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