マッチングした相手は片想いの社長でした
それなのに、そこで出会った相手まで春樹さんだった。

偶然なのか運命なのか、今でもよく分からない。

ただ一つ分かっているのは――。

私はもう、片想いをしているだけの私ではないということだった。

ふと顔を上げる。

少し離れた場所で、春樹さんが仕事をしていた。

黒いスーツを着て、資料に目を通している。

真剣な横顔。

仕事をしている春樹さんは、やっぱり格好いい。

誰にも気づかれないように、ほんの少しだけ視線を向けた。

 ――好き。

そう思った瞬間だった。

春樹さんが顔を上げた。

「……!」

目が合った。

慌てて視線を逸らそうとしたのに、一瞬遅かった。

春樹さんは私を見つめたまま、ほんの少し口元を緩めた。

私だけに向けられたような、優しい微笑み。
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