マッチングした相手は片想いの社長でした
途端に頬が熱くなる。

もう、会社なのに。

私は誤魔化すようにパソコンへ視線を戻した。

でも、口元が緩んでしまうのを止められなかった。

幸せだった。

この時の私は――これから起こることなんて、何も知らなかった。


その日の午後だった。

「社長、新しい秘書が来ました」

部長の声に、私は何となく顔を上げた。

春樹さんも不思議そうな顔をしている。

「秘書? 頼んでないが?」

「え? でも、この方が……」

部長の後ろから一人の女性が姿を現した。

黒いロングヘア。上品なベージュのスーツ。

清楚で整った顔立ち。

私は、その女性を知っていた。

 ――美里さん。

春樹さんのお母様が、春樹さんの結婚相手として望んでいる女性。
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