マッチングした相手は片想いの社長でした
市場データ、過去の議事録、業績推移、部署別資料。

しかも必要な数字を拾い上げて、グラフまで作らなければならない。

「……はあ」

思わずため息が出た。

でも取締役会議で使う資料なら仕方がない。

何より、これは春樹さんが使う資料だ。

そう考えれば頑張れた。


その日から残業が続くようになった。

時計を見ると、もうかなり遅い時間になっている。

オフィスに残っている社員も少ない。

私は一人でパソコンに向かい、資料をまとめていた。

「あれ? 那奈」

聞き慣れた声に顔を上げる。

「涼太君」

彼は同期の涼太君だった。

「今日も残業なの?」

「なかなか片付かなくて」

机の上に積まれた資料を見て、涼太君が眉を上げる。
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