高嶺の花も恋をしたい!
 本社受付はその学年の『顔』になるらしく、見た目が良いほど、その年は全員のレベルが高かったという評価になるらしい。

 その『顔』がミスコンにでも出ようものなら、同期としてはさらに鼻が高い。

 有名になった時『高嶺花緒は仲良しの同期だったのよ』と言いたくて、仲良しアピールをするため群がっているそうだ。

 これも一種のミーハーというのだろうか……。
 
「花緒、ミスコン出ないの?」
「そうよー。出たらいいのに~」
「い、いや、そんな予定は全く――」
「出たら私たち全力で応援するのに~! もったいない!」

 そう言われても、私には全くその気がない。

 頭の中には、一昨日会ったばかりの吉倉京子の姿が浮かぶ。

 興味がないのはもちろんのこと、あの圧倒的な女優オーラを出せる人と私は、全く別の人種なんじゃないかと思う。恐れ多いよ……。

 それにそもそも受付に配属されたこと自体、私にとっては『間違い』なのだ。ミスコンを足掛かりにモデルや女優業をするため退職なんて考えたこともない。

 今の私は、早く実務経験を積みたくてうずうずしている。一級建築士の資格を取って、設計士としてこの会社に骨を埋める覚悟なんだから!
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