高嶺の花も恋をしたい!
 皆が花緒を狙い始めるのではないかと思うとイラッとした。

 花緒は俺のものだ。誰であろうと指一本触れさせたくない。

 本音を言えば、花緒の彼氏として、早く堂々と関係をオープンにしたかった。離れている間、何度そう思ったことか。

 物理的に会えない時間は、俺の花緒への気持ちを加速させていた。

 今まで花緒の迷惑になるのではないかと我慢していたが、せめて俺が花緒にアプローチ中だということが広まれば、花緒を狙っている男たちへの牽制になるのではないか?

 俺に寄ってくる女どもも、バッサリ無くせたらさらにいい。

 思いがけない展開だが、俺はこの同期会を利用させてもらうつもりだ。

「別に困らないし、全然嫌じゃない」
「え、ちょっと……」
「うわ、高野君積極的~!」
「あ、ビ、ビール空になっちゃった! 私ちょっと取ってくるね」

 突然立ち上がった花緒が、ジョッキを手にビールサーバーへ行ってしまった。

「あーあ、花緒逃げちゃった」
「へぇー、高野君でもフラれることあるんだ」

 生島と山口がニヤニヤしながら俺を見る。

「高野……残念だったな。やっぱお前でも高嶺の花は難しいかー。まあ、落ち込むな。お前なら他にいくらでも――」

 若田までが、ニヤニヤと笑いを堪えながら慰めてくる。
 こいつら何も知らないくせに……ムカつく!

「ちょっと行ってくる」

 俺はテーブルにいた奴らを無視して、花緒の後を追いかけた。
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