高嶺の花も恋をしたい!
「まあ、ここで決めることでもないよな。花緒も困るだろうし」

 困るに決まってるじゃない!

 この状況では、女性社員のやっかみを買うことになるのが避けられない。

 それに高野が、誰かと付き合う気がないことは、事実なのだ。ただ噂になるだけなんて、本当に好きな私からすれば切なすぎるよ。

「ま、そうだな。俺たちが急かしすぎた。でもそうなったらダブルデートもいいよな」
「ほんと! 絶対楽しいよ。一緒に旅行したり。フフフッ、高野君、頑張ってね。応援してる!」

 フッ、と高野が笑いながら意味深に私を見る。

 もうっ! 人の気も知らないで――!



 同期会が終わり、私たちは家が同じ方向だと言って一緒に帰ることになった。

 桃子や若田君を交えて楽しく話ができたせいか、昨日よりは距離が近づいた気がする。

『花緒にアプローチ作戦』がただの見せかけだということはわかっているけど、高野が私たちの出会いを自然な形で話してくれたことは嬉しかった。

 あんな風に話すということは、私と離れたいと思っているわけではないのだと思う。いや、そう信じたい。

 それに、今日は休前日だし、もしかしたら……。


「はぁ……疲れたなぁ。結構遅くなったよな」
「閉店まで時間無制限だったからね。二次会となると費用もかさむし、時間無制限はありがたいよね」
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