高嶺の花も恋をしたい!
「一次試験の結果表を見せてくれただろう? あれで知った。珍しく実家に呼び出されていたのも、そういうことだったのかと後で思った。……言えよ。一緒に住んでるのに水臭くないか?」
「その……お祝いを催促するのって、なんか苦手で」
「逆だったらどう思う? 俺が誕生日に何も言わずに実家へ帰ったら?」
「あ……」

 それは嫌だ。なんで私には言ってくれなかったのだろうと思うはず。

「ごめんなさい……。あの、太一くんは? いつなの?」
「俺は3月。もうプレゼントはもらったよ」
「え?」
「とりあえず乾杯しないか? 泡が消えてしまった」
「わ、ごめん!」
「じゃあ改めて。花緒お誕生日おめでとう。それから一次試験突破おめでとう」
「ありがとう」

 コツンとグラスを合わせ、私たちは目の前の近江牛会席に舌鼓を打った。

 それにしても、「もうプレゼントはもらった」ってどういう意味だろう。3月なんて、出会ったばかりの時だと思うんだけど。

「……あの日だよ。配属先の発表の日、誕生日だったんだ」
「配属先の……」

 ということは、その後飲みに行って、初めて抱かれた日!?

「俺は大事なものをもらったと思ってるけど」

 ニヤッと含みを持たせて笑う高野。

 大事なものって、それって私のハジメテってこと?

 カーッと顔が熱くなるのを感じた。

「そ、そっか……」

 あまりの恥ずかしさに言葉が出てこない。
 ここは飲んでごまかそうと、私は一気にビールを飲み干した。
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