高嶺の花も恋をしたい!
 最奥に絞り出すかのように腰を震わせている高野が愛おしかった。

 高野がまたキスをくれる。おでこに、頬に、唇に、優しく慈しむようなそのキスに涙が出そうになる。

 最初から認めてしまったらセフレではいられない気がして、自分の気持ちに蓋をするようにしていた。

 でも久しぶりに肌を重ねて、彼がどれだけ私にとって大切な人かを知った。

 私もこれからは思いを伝えながら抱きあいたい。彼が好きだ。彼の全部が欲しい。

 高野が私のナカから出ていくと途端に寂しくなった。

「……やだ……行かないで」
「……? 水を取ってくるだけだ。喉乾いただろう?」

 頭をポンポンと撫でてくれる。

 高野は優しい。この優しさは関係をもった女性全てに対して同じなのだろうか。

 ふと、今まで気に留めなかったことが気になった。

 いつもより甘い雰囲気で私を気遣ってくれている高野を見ると、嬉しいのに少しモヤッとした。

 恋をするって、いいことばかりじゃなくて、モヤッとしたりもするんだ……。

 これが初めての恋の私にはこれから学んでいくことがたくさんありそうだ。

 戻ってきた高野が、私の体をゆっくり起こして、冷たい水を飲ませてくれた。

「お水、おいしい……」

 私の飲みかけのボトルを取り上げ、高野が一気に半分飲んでしまう。

「花緒もたくさん汗をかいたな。露天風呂で流すか?」
「……うん」

 少し気だるい体を、私たちは部屋付き露天風呂でゆっくりと癒した。
< 143 / 237 >

この作品をシェア

pagetop