高嶺の花も恋をしたい!
 さすがに周囲への音が気になり、露天風呂では大人しくしていたけれど、高野は後ろから私を覆うように座り、ずっと頬や首筋にキスの雨を降らし続けた。

 その甘いくすぐったさに、愛されていることを実感する。
「はぁ……花緒のことが好きすぎておかしくなりそうだ」
「太一くん……」
「……聞きたくないかもしれないけど、こんな気持ちは初めてなんだ。俺には学業と仕事の両立が何よりも大事で、今までいい加減な付き合いをするつもりはなかったけど、結果的に自分を優先することばかりだった。花緒と出会って初めて、自分よりも大事にしたい存在ができたんだ」

 それは、まさに私がモヤッとした内容だったのだけれど……。

「仕事中は気づいたら花緒のことを考えていて、何かにつけてショールームを覗きに行ったり」
「え」
「設計の野郎どもが話しかけようものなら、俺との仲をチラつかせ」
「ええっ?」
「常に同期以上の関係をアピールして」
「待って待って、初耳なんだけど!」
「そりゃ言ってないから」

 しれっと暴露する高野に驚く。

 確かにショールームでよく会うと思っていたけれど、本当に仕事があるのだと思っていた。
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