高嶺の花も恋をしたい!
「ショールームに用があったのは事実。でも建材のサンプルを見るだけなら、エレベーターを2階で降りればいい話だ」
「あ」

 言われてみればそうだ。
 通常お客様がショールームの2階へ行くには、ショールーム1階入口にある専用階段から上がる。もちろんその横には車椅子やベビーカーのためのエレベーターもあって、ちゃんとバリアフリーの対策もなされていた。

 でもそこは本来お客様のためのもの。社員であれば2階にあるSTAFF ONLYの扉から行き来できるのだ。

 じゃあ高野は、毎回わざわざ遠回りをしてショールームの入口まで回っていたということ?

「多分、気づいてないのは花緒だけだと思うぞ。俺の行動、結構わかりやすかったと思うが。受付の姉さん方とか広報の小さい姉さんとか、いつもニヤニヤ笑っていたのにな」

と当たり前のように言う。

「知らなかった……」

 えええーっ! それって、もう入社してすぐの頃からだよ。じゃあ、そんなに前から?

「ちょっとでも花緒に話しかけたいとか、小学生レベルだよな」

 高野が自嘲気味に言う。
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