高嶺の花も恋をしたい!
「あなたも受付にいるよりは学べることがたくさんあると思うわ。それに実務経験の方も、積めないわけじゃないかも……。ごめんなさい、これ以上は私の口から言えないのよ」
「あ、あの……逆にそれ、私で大丈夫なんでしょうか? 建築の基礎知識はありますが、そんなにすごい方の助手なんて務まるのか心配です」

 話を聞くほどに、私に出来るのか不安になる。

「あちらも高嶺さんの経歴を見た上で、引き抜いているわけだから大丈夫よ。実務経験がないということも、経歴を見れば分かることだもの」
「そう……ですよね」

 どちらにせよ、1年前と同じく夏成に残りたいのであれば、この異動を受け入れるしかないのだ。

「承知しました。4月から副社長秘書をさせていただきます」


 ◇ ◇ ◇


「副社長秘書⁉」

 帰ってきた高野に、異動が決まったことを報告する。

「東京支社から新しい副社長が来られるそうなの。その方の秘書にって」
「はぁ?」
「私も初めは戸惑ったんだけど」
「話が違うだろう⁉」

 そうなんだよね。私は秘書になりたかったわけではない。
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