高嶺の花も恋をしたい!
 高野が私を思って怒ってくれる気持ちがよくわかる。

 そこで私は人事課長から聞いた新副社長の人物像と求めている秘書の話をした。

 オフレコだって言われたけど、高野は私にとって大事な人だから話は別だ。ここは同居人、家族枠のようなものとして報告させてもらう。

「まだ詳しいことは言えないって言われたんだけど、でも実務経験の方も、もしかしたら何とかなるかもしれないって」
「……はぁ、そう来たか」
「いずれにせよ、受けないわけにはいかないし。今の受付よりはずっと学ぶことが多いと思うから、一歩前進なのかなって思ってる」
「だが……」
「大丈夫。元々、そうすんなり設計に行けるなんて思ってなかったから。この一年で私、打たれ強くなったのかも。どうしても『やっぱり違う!』と思ったら、また異動願を出せばいいわ。図太く頑張る」

 正直なところ、まだ「新年度も設計に行けない」というショックを引きずっていた。

 でも高野に心配してほしくないから、安心してほしいという意味を込めて、少しおどけて言う。

「頑張るのはいいが……秘書って、また短いスカートじゃないだろうな?」
「へ? なんでスカート⁉」
 
 突然何を言い出すのよ!
 おかしい……話があらぬ方向へ向かい始めた?
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