高嶺の花も恋をしたい!
思いがけない配属先
合宿から3週間後のこと。新入社員全員が本社ビルの大ホールに集結した。
ここで配属先の発表があるのだ。全国各地にある支店へ配属された者は速やかに住居を探し、4月からの新生活に備える。
人事部長が司会台に立ち、次から次へとスクリーンに配属先と個人名の書かれたスライドショーを展開していく。
桃子の話では毎年の恒例行事らしい。
「本社、第一設計部、高野太一」
たった1秒ほどのスライドだが、高野太一の名前が出た瞬間、歓声が上がった。
それもそのはず。本社第一設計部は夏成の花形。その年のもっともエリートである1人しか選ばれないことを皆知っているからだ。
「やっぱり高野さんだったね」と隣にいた桃子がドヤ顔で言う。
「うん、すごいね……」
同じ設計士を目指すものとして羨ましいとは思うけれど、自分自身はそんな高いところを想定していないので、ただ感心するだけだった。
それよりも自分の配属先の方が気になり、心臓がずっとバクバクしている。
本社から順に各部署の発表があり、次は東京で、それからきっと地方支店の発表へ移るはず……。
そんなことを考えていたら、本社設計部、施工管理部の発表が終わってしまった。今は本社事務部門の発表に移っている。
ああ……本社はダメだったんだ。
でもどこの支店でもいい。私を必要としてもらえるところで頑張りたい。
そう思いながら発表を見ていると、本社総務部経理課に桃子の名前が映し出された。
「やった! 本社だわ」
「桃子良かったね!」
桃子の第一希望が叶い、私まで嬉しくなる。でも、配属先が離れてしまうのかと思うと少し寂しかった。
その時だった。
『本社総務部 受付 高嶺花緒』
ひと際歓声が上がる。
え? 私? どういうこと?
ここで配属先の発表があるのだ。全国各地にある支店へ配属された者は速やかに住居を探し、4月からの新生活に備える。
人事部長が司会台に立ち、次から次へとスクリーンに配属先と個人名の書かれたスライドショーを展開していく。
桃子の話では毎年の恒例行事らしい。
「本社、第一設計部、高野太一」
たった1秒ほどのスライドだが、高野太一の名前が出た瞬間、歓声が上がった。
それもそのはず。本社第一設計部は夏成の花形。その年のもっともエリートである1人しか選ばれないことを皆知っているからだ。
「やっぱり高野さんだったね」と隣にいた桃子がドヤ顔で言う。
「うん、すごいね……」
同じ設計士を目指すものとして羨ましいとは思うけれど、自分自身はそんな高いところを想定していないので、ただ感心するだけだった。
それよりも自分の配属先の方が気になり、心臓がずっとバクバクしている。
本社から順に各部署の発表があり、次は東京で、それからきっと地方支店の発表へ移るはず……。
そんなことを考えていたら、本社設計部、施工管理部の発表が終わってしまった。今は本社事務部門の発表に移っている。
ああ……本社はダメだったんだ。
でもどこの支店でもいい。私を必要としてもらえるところで頑張りたい。
そう思いながら発表を見ていると、本社総務部経理課に桃子の名前が映し出された。
「やった! 本社だわ」
「桃子良かったね!」
桃子の第一希望が叶い、私まで嬉しくなる。でも、配属先が離れてしまうのかと思うと少し寂しかった。
その時だった。
『本社総務部 受付 高嶺花緒』
ひと際歓声が上がる。
え? 私? どういうこと?