高嶺の花も恋をしたい!
「花緒、すごい~! 受付じゃない!」

 周りからは同様に「すごい」「やっぱりね」などという声が聞こえてきたけれど、私には何かの間違いだとしか思えなかった。

 夏成ハウスコーポレーションには設計士志望で入社している。
 もちろん、エントリーシートにもその旨はしっかり書いたし、面接でも思いのたけを伝えたつもりだ。
 オリエンテーション合宿の時の試験だって、設計で受けたのだ。だからあり得ないはずなのに、私が受付?

「あり得ないよ……受付なんて」

希望通りの設計や施工にいけないとなると、一級建築士の実務経験がクリアできなくなる。

「あ……そ、そうだよね。花緒、設計希望だったよね」

 桃子が気まずそうに言う。呆然としている私に「大丈夫?」と声をかけてくれるけど、あまりのショックに口を開くことすらできなかった。

 どうしても納得がいかない私は、解散後に人事部へと向かった。

 一緒に行こうかと言ってくれた桃子には申し訳なかったけど、巻き込みたくなかったので丁重にお断りした。

「私は大学で建築学を専攻し、インテリアプランナーの資格と宅建士の資格も取得しました。今年の夏には一級建築士の試験も受けます。面接でもそのことはお伝えしています。なのに……なのにどうして受付なんですか⁉」
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