高嶺の花も恋をしたい!
「あの……副社長が私を秘書に抜擢してくださったと聞きました。それは昔のことがあったからなんですか?」
「いや、それは後で気づいたんだ。名前とエントリーシートの自宅住所を見て。君のことはあいつから……って、あれ? 聞いてないのか?」
「……? なにがですか?」
「あ、いや……そう、秘書というより助手を探しているってことを」
「それは人事課長から伺っています。でも私、一級建築士の一次試験は合格しましたが、実技の方は……。それに実務経験が全くないのに、本当によろしいのでしょうか?」
私が一番気にしていることだ。真っ先に副社長本人に確認しておきたかったことを、この機会にぶつけてみる。
「……聞いたよ。君が最初の人事で不当な扱いを受けたこと、夏成の役員として申し訳なかったと思っている」
副社長が頭を下げた。
「ちょっ……やめてください! 副社長おひとりのせいではありません。それに私は院卒でもないし、一級の二次試験も落ちてしまったので、実力を考えたら不当とも言えないんです」
「でも君と同じ学歴の者は皆、設計か施工の職務についているよ。資格ももちろん君と同じように取得前だ。それでも不当じゃないとは言えないだろう?」
「……」
「花緒ちゃん、これからは副社長秘書という肩書ではあるけど、実務経験も積んでもらうから」
「――! 本当に?」
「いや、それは後で気づいたんだ。名前とエントリーシートの自宅住所を見て。君のことはあいつから……って、あれ? 聞いてないのか?」
「……? なにがですか?」
「あ、いや……そう、秘書というより助手を探しているってことを」
「それは人事課長から伺っています。でも私、一級建築士の一次試験は合格しましたが、実技の方は……。それに実務経験が全くないのに、本当によろしいのでしょうか?」
私が一番気にしていることだ。真っ先に副社長本人に確認しておきたかったことを、この機会にぶつけてみる。
「……聞いたよ。君が最初の人事で不当な扱いを受けたこと、夏成の役員として申し訳なかったと思っている」
副社長が頭を下げた。
「ちょっ……やめてください! 副社長おひとりのせいではありません。それに私は院卒でもないし、一級の二次試験も落ちてしまったので、実力を考えたら不当とも言えないんです」
「でも君と同じ学歴の者は皆、設計か施工の職務についているよ。資格ももちろん君と同じように取得前だ。それでも不当じゃないとは言えないだろう?」
「……」
「花緒ちゃん、これからは副社長秘書という肩書ではあるけど、実務経験も積んでもらうから」
「――! 本当に?」