高嶺の花も恋をしたい!
「ああ、君に来てもらったのは、これから始まるプロジェクトのためなんだ」
「新プロジェクト、ですか?」
「詳しいことは入社式が終わってから話すよ。とりあえず、今日は社長に話があって来ただけなんだ。まだ東京での引き継ぎがあるからね。でもせっかく来たのだからついでに花緒ちゃんの顔も見ておこうと思って」

 そう言ってにっこりと笑う副社長が、とても眩しく思えた。

 久しぶりに再会した憧れの設計士さんの新プロジェクトに、私が携われるかもしれない――!

 副社長秘書という、慣れない肩書きへの不安を大きく上回る期待に、私は胸の高鳴りを抑えることができなかった。

 この期待感を高野にも聞いてほしかったのだけれど、和歌山のプロジェクトが本格的に始動した今、高野は大阪と和歌山を往復する日々が続いていた。

 先週からついに和歌山支社の方に行ったきりになっており、ウイークリーマンションを借りて長期滞在が確定している。

 もちろん夜になると、電話をくれたりメッセージを送ってくれたりするけれど、出来れば直接会って話を聞いてほしいと思っていた。

 私の原点である、副社長に再び会えたことを――。

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