高嶺の花も恋をしたい!
「おー! 翔多、来たか!」
「ご無沙汰してます」
「やっと戻ってきたんだな。親父さんがあいつは家業を継ぐ気があるのかといつも心配していたぞ」
「ありますよ……てか、俺だって東京で真面目に会社のために働いていたんですけど?」
「まあそうだな。活躍は聞いていたよ。……で、どえらい仕事を持って帰ってきたみたいじゃないか」
どえらい仕事? 一体何のことだろう。
部長室に案内され話を聞いていると、第三設計部の田村部長は、かつて副社長が大阪本社にいた時、師として仰ぐほどお世話になった設計士さんだったそうだ。
そして、副社長が本社に戻ってきた理由の一つが、その『どえらい仕事』のためだったという。
「はい。大阪の郊外にある、柏原家のリノベーションです」
柏原家? なんだろう……聞いたことがあるような……。
「重要文化財の方か?」
そうだ! 思い出した。
たしか大阪の柏原家と言えば、江戸時代から続く豪商の一族で、現在では衆議院議員を輩出している由緒正しい家柄だ。
そして大正時代に建てられた御屋敷は、重要文化財に指定されていて、建築物として教科書に載るほど有名だった。
ただここは今でも柏原家の親族が住んでいるため、外観のみ公開されているだけで、内部、つまりプライベートエリアは公開されていない。
「いえ、重要文化財に指定されている本邸の方はさすがに触れません。重文に指定された年から、4年にわたって補強工事と修繕工事が一通り済んでいますし、レトロな外観と内装のまま保存されています」
「なら、離れか?」
「はい。今回依頼があったのは、広大な敷地内にある離れです。こちらも登録有形文化財に指定されています。重文ほどの規制はありませんが、リノベーションとなると、役所への届け出は必要になってきますね」
「離れの耐震は?」
「有形に指定されたのが3年前で、その時に本邸と同様に丸高組が入ってます」
丸高組……?
「ご無沙汰してます」
「やっと戻ってきたんだな。親父さんがあいつは家業を継ぐ気があるのかといつも心配していたぞ」
「ありますよ……てか、俺だって東京で真面目に会社のために働いていたんですけど?」
「まあそうだな。活躍は聞いていたよ。……で、どえらい仕事を持って帰ってきたみたいじゃないか」
どえらい仕事? 一体何のことだろう。
部長室に案内され話を聞いていると、第三設計部の田村部長は、かつて副社長が大阪本社にいた時、師として仰ぐほどお世話になった設計士さんだったそうだ。
そして、副社長が本社に戻ってきた理由の一つが、その『どえらい仕事』のためだったという。
「はい。大阪の郊外にある、柏原家のリノベーションです」
柏原家? なんだろう……聞いたことがあるような……。
「重要文化財の方か?」
そうだ! 思い出した。
たしか大阪の柏原家と言えば、江戸時代から続く豪商の一族で、現在では衆議院議員を輩出している由緒正しい家柄だ。
そして大正時代に建てられた御屋敷は、重要文化財に指定されていて、建築物として教科書に載るほど有名だった。
ただここは今でも柏原家の親族が住んでいるため、外観のみ公開されているだけで、内部、つまりプライベートエリアは公開されていない。
「いえ、重要文化財に指定されている本邸の方はさすがに触れません。重文に指定された年から、4年にわたって補強工事と修繕工事が一通り済んでいますし、レトロな外観と内装のまま保存されています」
「なら、離れか?」
「はい。今回依頼があったのは、広大な敷地内にある離れです。こちらも登録有形文化財に指定されています。重文ほどの規制はありませんが、リノベーションとなると、役所への届け出は必要になってきますね」
「離れの耐震は?」
「有形に指定されたのが3年前で、その時に本邸と同様に丸高組が入ってます」
丸高組……?