高嶺の花も恋をしたい!
「経験不足なところは俺が面倒をみます。もう一人、アドバイザーを予定していますし」
「……まあ、副社長がそう言うなら。よし、じゃあこっちも人選を考えておくよ。オペレーターは誰が空いてたかな……。とりあえず高嶺さんは柏原邸プロジェクトの貸会議室を押さえてくれるか?」

 初仕事だ!

「はい! 承知しました!」

 すごい! 歴史的建造物のリノベーションだなんて、そんな貴重なプロジェクトに参加させてもらえるなんて思ってもみなかった。

 雑用係であろうとなんだっていい。私のテンションはMAXまで跳ね上がっていた。

「花緒ちゃん、貸会議室の取り方はわかるか?」
「はい、仲野さんから大体のことは聞いてます。デスクの個数はどうしましょうか?」

 プロジェクト用の貸会議室は、本社内にいくつかある会議室の中から月単位で借りることになる。貸会議室には大小様々なサイズがあり、こちらの希望を事前に伝えて設備を整えてもらわないといけないのだ。

「設計机が2台とCAD用のデスクが2台」
「ソファセットと冷蔵庫も頼む」
「田村部長……住むつもりですか?」
「どうせ副社長も泊まり込みになるだろうよ」
「はぁ……わかりました。でもほどほどにして帰ってくださいよ」

 私は要望を聞き取って申請用紙を記入し、総務部へ持っていった。貸会議室が使えるようになるのは最短でも明日の午後からになるという。

 手続きを終えて副社長室へ戻ろうとすると「花緒!」と声をかけられた。
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