高嶺の花も恋をしたい!
「桃子……」
「どうしたの? 総務部に来るなんて珍しい」
「貸会議室を借りに来たの」
「そうなんだ。わぁ……そのパンツスーツ、似合ってるー! 受付の制服も良かったけど、さらに大人のカッコ良さがあるね。そういうのなんて言うんだっけ」
「……マニッシュ?」
「それだ! パンツスーツなのに色気を感じる」
「やめてよ~。私から一番遠い言葉な気がするよ」

 色気とは、出るところがちゃんと出ている人に合った言葉だ。

 チラッと小柄な桃子の胸元を見てみると、うん、しっかりある。可愛い上に胸まであるなんて反則だよ。

 はぁ……羨ましい。

「花緒、気づいてないんだろうけど、会うたびに色っぽくなってるよ。さては誰かさんのおかげかなー?」
「ちょっ……何言うのよ!」

 こんな廊下で、誰が聞いているかもわからないのに。

 桃子には高野と付き合い出したことを報告していた。ビアガーデンで話が盛り上がったこともあり、親友にはちゃんと話しておきたかったのだ。

「ハァ……でも今は会えないよねー」
「若田君もずっと行ったきり?」
「うん。聞いてない? 隣の部屋を借りているそうよ」

 それは聞いていた。でも営業さんも同じように大阪へ全く帰れない状況とは思っていなかった。

 桃子の話によると、膨大な数のオーナー様との打ち合わせが入っているため、休日返上で業務に当たっているそうだ。
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