高嶺の花も恋をしたい!
「あの子がなにも教えてくれないから押しかけちゃったけど、怖がらなくていいのよ?」
「は、はぁ……」

 どうしたらいいかわからなくておどおどしている私に、お母様は優しく声をかけてくださった。

 と言っても、かなり高圧的に感じるのだけれど。

 きっとそれは、この眼力のせい。

「中に入れてくれないの? 今カギを持っていたわよね?」
「あ、は、はい!」
「一緒に住んでいるんでしょう?」
「……すみません」

 ひえっ……どうしよう。逃げたい……!

「謝ることないわ。さ、行くわよ」

 部屋に入ると、お母様は勝手知ったるという様子でリビングに入っていった。

 勝手に住みついていることをお詫びするべきなのか、それともお客様としてもてなすべきなのかわからない私は、一歩出遅れてしまった。

 幸いなことに、お母様はソファーの長椅子の方に座り、自分はお客だとわかりやすい態度を取られた。

 ホッとした私は「お茶を淹れますね」と言って、ひとまずキッチンに籠る。
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