高嶺の花も恋をしたい!
「太一くんのおかげだよ……ありがとう」
「俺は花緒の話を勝手にバラしただけだ。受付からどこかの部署へ異動させてほしいと言ったわけでもない。だから礼を言うなら認定してくれた時に翔多……副社長に言ってくれ。まあ……あっちも負い目があったからなんだろうけど……」
「え? なに?」
「いや、なんでもない。翔多が憧れの設計士だったってのがムカつくけどな。……まあいい。それより、話を本題に戻すぞ……」

 とそこで、高野のお腹がグーっと鳴った。

 話を聞けば、午前中は最後の仕事に追われ、お昼ご飯も食べず3時まで仕事を片付けていたらしい。

 そのままウィークリーマンションで荷物を詰めて、速攻で車に飛び乗ったので、何も食べていなかったのだ。

 時刻は夜の8時になっている。私は作り置きのお惣菜をすべて出して、すぐに食べられるよう準備した。
 話はお腹を満たした後でいい。

「はぁー、やっぱ花緒のご飯はうまいな。体に沁みる」
「大げさよ。でもそろそろ帰ってくる頃かと思って、作り置きを増やしておいて良かったわ」

 高野のお気に入りのハニーマスタードチキンや、ありあわせの野菜で作ったナムルはいつも好評だったから、帰宅に合わせて作り置きしておいたのだ。
 おいしい、おいしいと言いながら食べてくれるのはとても嬉しい。離れていなければ毎日食べさせてあげたいと思う。

「ご馳走様。うまかった!」
「どういたしまして。コーヒーを淹れるね」

 まだ話は残っている。その話がどんな話なのか、ちゃんと聞かなければ高野がこの先どう考えているのかわからない。

 私たちはコーヒーを片手にソファーへせ移動した。


◇ ◇ ◇
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