高嶺の花も恋をしたい!
「それもあるけど、一番の理由は俺だ。親父の後押しをした手前、一度は自分が丸高組を継ぐと言ったが、本来なら嫁である自分を挟まず、高野の直系となる子供が継ぐべきだと思っていた。そこへ生まれたのが俺だ。俺は小さい時から現場が好きで、ずっと祖父の後をついてまわるようなガキだったから」
「なるほど……。お母様は、いつか自然な流れで太一くんが跡を継ぎたいと言い出すだろうと思われたのね」
「ああ。だから母親は『太一が跡を継ぐまで長生きして、なるべく長く棟梁を続けて』と、じいさんにいつも言ってた。逆にじいさんの方が、本当にそれでいいのかと言ってたくらいだ。棟梁になるために、今まで頑張ってきたはずなのに、と」
「おじい様は、お母様の努力と実力を認められていたのね」
「ああ……」
不肖の息子を支え、代わりに宮大工の世界に飛び込んだ嫁を可愛くないわけがない。今では全面的に嫁を支持している。
「だから俺は……近いうちに丸高組へ戻らなければならない」
「……!」
「『宮大工の世界でも今は近代建築に精通していないと時代に取り残される』と言い張って大学へ進み、大学院まで出させてもらった。さらには住宅建築もやってみたくて夏成にも入社した。……三十歳までには丸高組に戻るという約束で」
「三十歳……」
「なるほど……。お母様は、いつか自然な流れで太一くんが跡を継ぎたいと言い出すだろうと思われたのね」
「ああ。だから母親は『太一が跡を継ぐまで長生きして、なるべく長く棟梁を続けて』と、じいさんにいつも言ってた。逆にじいさんの方が、本当にそれでいいのかと言ってたくらいだ。棟梁になるために、今まで頑張ってきたはずなのに、と」
「おじい様は、お母様の努力と実力を認められていたのね」
「ああ……」
不肖の息子を支え、代わりに宮大工の世界に飛び込んだ嫁を可愛くないわけがない。今では全面的に嫁を支持している。
「だから俺は……近いうちに丸高組へ戻らなければならない」
「……!」
「『宮大工の世界でも今は近代建築に精通していないと時代に取り残される』と言い張って大学へ進み、大学院まで出させてもらった。さらには住宅建築もやってみたくて夏成にも入社した。……三十歳までには丸高組に戻るという約束で」
「三十歳……」