高嶺の花も恋をしたい!
「わぁ……」
「本当はちゃんと用意するつもりだったんだが、これは昨日母親から渡されて……高野家に代々受け継がれている指輪だそうだ」
「そんな大切なものを……?」

 ダイヤのことはよく知らないけれど、義姉のはめていた指輪からみると、これはとても大きい。

「2カラットあるらしい」
「ええっ!」
「はめていいか?」

 こくこくと頷く私の左手を取り上げ、薬指にはめてくれた。

「ゆるいな……サイズ直しできるらしいけど」
「綺麗……! ありがとう。お母様にもよろしく伝えてね」
「ああ。でももっと普通にできるやつを買ってやるから」
「ううん、私はこれがいい。高野家に代々受け継がれている婚約指輪をいただけるなんて、すごく嬉しい! それにこれからいつも身に着けるのは結婚指輪になるんじゃない?」
「それもそうだな。……ところで花緒」
「ん?」
「俺、飢えてるんだけど」

 はい? 今バーベキューを食べたところじゃない。何を言っているの?

「3週間もお預けで、まだキスもできてない」
「あ」
「うちに帰ろう」

 うちに帰ろう……

 そうか、同じ家に帰れることが、こんなに嬉しいことだと思わなかった。それはこれからもずっと続くんだわ。

 ドキドキすると同時に、圧倒的な安心感が押し寄せる。

「うん、うちに帰ろう! ……太一くん、大好き」

 私は飛びつくように、高野の頬にキスをした。

「花緒……! ここで煽るなよ。うちまで我慢できなくなる」

 そうして私たちは高速を飛ばし、急いで高野のマンションに戻ったのだった。
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