高嶺の花も恋をしたい!
 高野はあまりにも急な結婚報告に、私の実家が反対するのではないかと心配していたけれど、それは杞憂だった。

「花緒ったら、綺麗に産んであげたのに、全くモテなくて。しかも『一級建築士になる!』なんて男勝りなことを言うものだから婚期を逃す覚悟していたんですよ。こんなに早く、良いお話をいただけるなんて、思ってもみなかったわ~」

 と、母は大喜びしていた。
 完全に尻に敷かれている父も然りだ。

 元々母は古い考え方の人で、結婚こそが女の幸せだと信じているところがあった。

 私はその期待に応えられないだろうと思っていたけど、兄のところに子供が早くできたので、母の関心はそちらに向いていたのだ。

 しかも義姉は、母の助手をしていた人だったため、気心も知れていて、二世帯住宅でもとてもうまくいっていた。

 おかげで私は一人暮らしができ、自由を得ることができていたのだ。

 そういうわけで、意外にも早かった娘の結婚報告に、両親は大喜びだった。

 さらには、高名な指揮者の高野理一が顔合わせの場に現れたから、もう大変!

 同じ世代の両親はサインをもらおうとして大騒ぎになった。
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