高嶺の花も恋をしたい!
本社勤務と決まったとき、会社の近くに引っ越そうと思ったのに、そのことを親に言うと「じゃあ帰ってきなさい」と言われてしまった。
確かに今住んでいるアパートと違って、実家は本社まで電車で一本。通勤時間はドア・トゥ・ドアで30分前後と言ったところだろう。
でも一度家を出てしまうと、今さら実家に戻るのはちょっと……。
しかもうちは二世帯住宅で、実家には両親と兄夫婦が住んでいる。完全分離なのに、義姉と甥っ子は母のところに入り浸り。その状況では落ち着いて勉強もできないだろう。
「今のアパートは大学の近くだったんだろうが、引っ越す予定はないのか?」
「うーん、それがね……」
私は実家の事情を、高野に話して聞かせた。
「なるほど……それは落ち着かないし、たしかに一度出てしまったら今さら戻れないよな」
「そうなの。だから意地になって今のところに住み続けてるの。それにお金がたまったらいずれは会社の近くへ引っ越すつもりなんだけど、今の所は家賃も安いし」
そう、今は先立つものがない。
実家に頼れば「帰ってこい」になっちゃうし、我慢するしかないのよね。
「……ならここから通えばいい」
「はい?」
「知ってのとおり、ここは3LDKで、使っていない部屋がある。そこを使えばいい。ここなら会社まで15分の距離だ」
「いや……いやいやいや」
何言ってるの⁉ セフレと同居だなんて、ありえないでしょう!
「来週にでも……いや、今から荷物を取りに行こう。引っ越してこい」
「待って! ありえないから、それ」
「なぜだ? わざわざ帰る必要もなくなるし、花緒も会社と専門学校に通いやすい。通勤時間の無駄を省いたら勉強時間を増やせるだろう」
「それはそうかもしれないけど……」
全く何の関係もない友達ならルームシェアできるのかもしれないけれど、友達と言っても男女だし。
そもそも毎週のようにやることやってるのに、これで一緒に住んだりしたらごく普通の同棲なんじゃないの?
確かに今住んでいるアパートと違って、実家は本社まで電車で一本。通勤時間はドア・トゥ・ドアで30分前後と言ったところだろう。
でも一度家を出てしまうと、今さら実家に戻るのはちょっと……。
しかもうちは二世帯住宅で、実家には両親と兄夫婦が住んでいる。完全分離なのに、義姉と甥っ子は母のところに入り浸り。その状況では落ち着いて勉強もできないだろう。
「今のアパートは大学の近くだったんだろうが、引っ越す予定はないのか?」
「うーん、それがね……」
私は実家の事情を、高野に話して聞かせた。
「なるほど……それは落ち着かないし、たしかに一度出てしまったら今さら戻れないよな」
「そうなの。だから意地になって今のところに住み続けてるの。それにお金がたまったらいずれは会社の近くへ引っ越すつもりなんだけど、今の所は家賃も安いし」
そう、今は先立つものがない。
実家に頼れば「帰ってこい」になっちゃうし、我慢するしかないのよね。
「……ならここから通えばいい」
「はい?」
「知ってのとおり、ここは3LDKで、使っていない部屋がある。そこを使えばいい。ここなら会社まで15分の距離だ」
「いや……いやいやいや」
何言ってるの⁉ セフレと同居だなんて、ありえないでしょう!
「来週にでも……いや、今から荷物を取りに行こう。引っ越してこい」
「待って! ありえないから、それ」
「なぜだ? わざわざ帰る必要もなくなるし、花緒も会社と専門学校に通いやすい。通勤時間の無駄を省いたら勉強時間を増やせるだろう」
「それはそうかもしれないけど……」
全く何の関係もない友達ならルームシェアできるのかもしれないけれど、友達と言っても男女だし。
そもそも毎週のようにやることやってるのに、これで一緒に住んだりしたらごく普通の同棲なんじゃないの?