高嶺の花も恋をしたい!
「まずは学科に一発で合格すること。製図はさすがに一発合格は難しい。できる限りそこに時間を割かないといけない。だからこそ花緒が今やるべきことは資格取得に専念することだ。新居は合格してからゆっくり探せばいい」
「……」
「早く異動したいんだろう? 花緒が最初から言っていたように、一級建築士の試験に合格したら、さすがに設計関係の部署に異動させざるをえないはずだ。それまでに実務が積めないというのは残念だが、早く異動するためにも全力で頑張れ。今は何も考えずにうちへ来い」
「……っ!」

 どうしよう……ちょっと涙が出そうだ。

 会社の中で高野だけが知っている私の事情。全力で応援してくれているのが伝わってくる。

「まあ……気になるなら家賃は体で払ってくれてもいいけど」
「なっ、何言って……」
「役割分担を決めるぞ。掃除当番、洗濯当番、食事当番……これからはお客様じゃないんだから花緒にも家事をやってもらうからな」

 ホッ……なんだ労働ってこと? もうっ! 言い方ってものがあるでしょう。

「なんだ? 期待したか?」
「ち、違っ……! んもうっ!」

 からかってくる高野をぽこぽこ叩きながらも、私に負担を感じさせないように、おどけてくれている気遣いをありがたく思う。
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