高嶺の花も恋をしたい!
「わかった……お世話になります」
「よし、じゃあ今日は俺の車に乗るだけの荷物をまとめよう。残りは明日にして……製図机はどうしようか」

 高野の車は白のファストバックセダン。

 ハウスメーカーではマイカーを営業や仕事関係で使うこともある。もちろん会社に申請しておかなくてはいけないが、その条件が国産の白のセダン型もしくはセダン相当のものであることなのだ。

 おそらく高野もそれを見越して白のファストバックセダンに乗っているのだろう。

 というわけで、製図机がこのまま載るような車ではない。

「工具があればばらして載せることも可能だけど、今は工具がないからここを引き払うときに考えようか。とりあえず俺は今ドラフターを使ってるから、うちの製図机を使ってくれ」
「う、うん。じゃあお借りします」

 元々極端に荷物の少ない私の部屋から持ち出すものはほとんどなかった。

 高野がまとめてくれた書籍類と製図の道具。それと当面の衣服で全てだ。

 1時間もしないうちに、4畳半の部屋からはほとんどの荷物が車に積み込まれた。

「女子って、もっと荷物が多いものかと思った……」
「ハハハ……」

 私が資格取得にしか興味がなかっただけで、多分普通の女子はそうなんだろう。

「あ! お布団積んでいない! どうしよう……もう車に入らないよね?」

 どう考えても、もう車の後部には布団を載せる場所がない。

「……あったと思うけど、うちに……」

 客用のお布団があるのか!
 では当面はそれを使わせてもらおうと、マイ布団は置いていくことにした。
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