高嶺の花も恋をしたい!
同居、始めます!
 その日は荷物を高野のマンションに運び入れ、荷解きをし、生活出来る状態になる頃には、すっかり日が暮れてしまっていた。

 デリバリーで晩御飯を注文し、食べながら『労働』の取り決めをする。

「やっぱり家賃を入れさせて欲しいの」
「必要ないだろ。そんなことしたら、俺が強欲にじいさんのマンションで金儲けしてることにならないか?」
「そ、そんなことは……じゃあせめてさっきの当番? 洗濯とか掃除とか、あと料理とかは私にさせてほしい」
「それも花緒の勉強時間が減るからダメだ。ここへ来た意味がない」
「あの狭いアパートでいつもやってたことが二人分になるだけだし、通勤時間を考えると時間に余裕ができるから大丈夫よ」
「……ハァ、わかったよ。でも無理するな。できる範囲でいいから」
「ありがとう!」

 タダで住ませてもらうのだから、家事くらいはさせてほしい。聞き入れてもらえたことにホッとした。

 そうして寝るときになって問題が起きた。

「お客様用のお布団って……これ?」

 高野に言われた通り、押し入れの下の段に置かれていた布団を布団袋から取り出してみると、異臭がした。

 なんだかところどころ……黒い? 異臭の原因は多分この黒カビだ。

「げっ、すぐに離れろ!」

 私は慌てて布団袋を閉じた。しばらくの間使わせてもらう予定だった布団がカビだらけだなんて――!
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