高嶺の花も恋をしたい!
「悪い……これは使えないな。従兄が置いていったんだが、状態を確かめてなかった。一度も使ったことがなかったから」

 おそらく、汗などの水分を含んだ状態でこの袋に入れ、長年放置されていたのだろう。

「じゃ、じゃあ私はしばらくソファを借りるよ」
「そんな必要ないだろう。ベッドで寝ればいいじゃないか。今さらだろう?」

 たしかに、もう何度か一緒にあのダブルベッドで寝ている。

 でも恋人同士の同棲じゃないんだから、毎日一緒に寝るわけにはいかないんじゃないかな。

 そう思っていると「じゃあこうしよう」と高野が提案した。

「休前日以外は花緒の体に触れない」
「え?」
「俺だって、平日はちゃんと睡眠時間を確保したいし、仕事に集中したい。花緒もそうだろう?」
「う、うん……」
「ベッドはシェアするだけだ。ダブルなんだから、二人で寝ても余裕はあるし」
「……いいの?」

 何もしないのに、隣に寝てもいいのだろうか?

「あのなぁ……」

 はぁ……とため息をつく高野。

「さっきのは冗談だぞ。体で払うかってやつ……。花緒が嫌なら俺は一切手を出さない。休みの日だってそうだ。俺たちの関係は義務でもなんでもない。だから『いいの?』なんて聞くな」
「う、うん。ごめんなさい……」
「謝る必要もない。で、どうするんだ?」

 そこまで言われては断ることも出来ない。

「じゃあ……お邪魔します……」
「よし、ところで今日は……寝るだけでいいか?」
「ん? あの……?」
「明日はまだ休みだが……どうする」

 それって、えっちするか私が決めるってこと!? ええーっ! ハードルが高すぎる!
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