高嶺の花も恋をしたい!
 こんなセフレとの同居、どうなることかと思ったけれど、高野は最初の取り決め通り、同じベッドに寝ていても休前日とその翌日以外は、一切手を出してくることはなかった。

 高野は朝が早いし、帰りも遅い。帰宅すると私が作っておいた晩御飯をかき込むように食べ、一瞬で寝てしまう。

 私はと言えば、定時で会社を出て帰宅後、簡単なご飯をつくりながら専門学校の課題をする日々。

 平日のプライベートではあまり接点もないまま7月になり、私は一級建築士の一次試験を受けた。

 手応えはあった。多分、大丈夫。

 とはいえ結果が出る2ヶ月後を思うと胃が痛くなる思いだった。

 その頃、私はほぼショールームの受付専属になっていた。

 というのも受付のメンバーの中ではショールームの当番は人気がなく、先輩方は本社オフィス棟受付を好んでいたからだ。

 それはもちろん、客層が違うから。
 本社オフィス棟受付は、各社関連企業のお客様が中心。独身の方も多く、出会いがある。

 一方でショールーム受付はご成約者様が多く、そのほとんどの方はご家族で来られる。三世代で来られるお客様も多く、小さなお子様をキッズコーナーへご案内することもよくあった。

 先輩方の中には小さい子が苦手という人もいて、甥っ子の面倒を見慣れていた私は、重宝がられた。

 また私たち受付は打ち合わせ中にお茶を出す役割も担っているから、設計士志望の私には実際の打ち合わせ現場が垣間見られて、コーヒーを運ぶのも楽しみの一つだった。
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