高嶺の花も恋をしたい!
 高野のことを思うと胸の奥がキュンとなる。こんな風に思い始めたのは一体いつからなのか。

 騙すようなかたちで一夜を共にしたにも関わらず、性を教えてくれるという彼の言葉に、好奇心から同意した。

 そう、最初は好奇心だったはず……。

 でも休前日を一緒に過ごし、さらには一緒に暮らすようになり、彼の優しさに溺れた。あの人を好きにならないなんて無理だと思う。

 高野から恋愛はしないと前置きされていたのに、恋心を抱いてしまうなんて、救いようがないな。

 でも体を重ねるということが情をも重ねることなのだと、私はやっと気づいたのだ。
 
 ……それはさておき、私はもう一つ気づいたことがある。
 『若田君』『高野君』かぁ……。


 ◇ ◇ ◇


「花緒にも話があったのか」

 家に帰ると、お風呂場から高野がタオルで頭を拭きながら出てきた。

 まだ夜でも25度を下回らない暑さが続いているからか、上半身は裸のまま。ハーフパンツからはすらりと綺麗な筋肉のついた長い脚が見えている。

 あの脚が私の脚に絡みついてくるところを想像すると、体の芯が熱くなってくる。

 ……見ないようにしよう。
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