薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
一通り話がまとまると、暢さんが旧スマートフォンへ視線を落とした。

「では、既読にしますよ」

室内の空気が少し変わる。

未來から来たLINE。

まだ一度も開いていない。

「既読にしたあと、どう動くか見たい。返事はまだしない。既読だけ」

茂樹先生も頷く。

「こちらから余計な刺激はしない方がいいでしょう」

暢さんが私を見る。

「神宮寺さん。開いていい?」

一瞬だけ端末を見たあと、頷いた。

「はい」

LINEを開く。

既読。

ただ、それだけ。

「……これだけなんですね」

「これだけ。端末も確認したし、新しい方も位置情報や権限はかなり絞ってる。今のところ、向こうに神宮寺さんの現在地まで特定されている可能性は高くないと思う」

「絶対ではない?」

「絶対とは言わない」

即答だった。

「だから今は、こちらが相手の動きを見る側に回る」

「分かりました」

その時は、本当にそう思っていた。

少なくとも、今いる場所までは知られていない。

こちらが相手の動きを待つ側なのだと。

――まさか、その数時間後。

こちらが待つより先に、本人と出会うことになるなんて思ってもいなかった。

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