薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「そうですね」

答えたのは、また陸斗さんだった。

声の温度が変わっている。

笑っているようで、笑っていない。

「ですから、これからは私がいます」

今度こそ、私まで言葉を失った。

未來も一瞬黙る。

そのまま陸斗さんが時計へ視線を落とした。

「もういいかな。俺たちにも予定があるので、失礼するよ」

「…………」

え。

今、俺?

思わず見上げた。

何、その言い方。

反則じゃない?

「えっ、待って」

未來が慌てて一歩近づく。

「奏、ランチ行こうよってLINEしたじゃない。返事まだ聞いてないんだけど」

その瞬間、腰に回っていた陸斗さんの腕がほんの少し強くなった。

「ランチ?」

低い声が落ちてくる。

「行く約束したのか?」

「え?」

今度は私?

何、その彼氏みたいな聞き方。

いや、彼氏のフリなんだけど。

未來を見ると、私の返事を待っていた。

もう、ここまで来たら合わせるしかない。

「してないよ。LINEは来てたけど、返事してない」

自分でも驚くくらい自然に出た。

陸斗さんが私を見る。

「そうなのか?」

「うん」

……うん?

私まで何やってるの。

でも、もう止まれない。

少しだけ陸斗さんの方へ身体を寄せた。

「だって、陸斗さんとの約束の方が大事だからね」

言った。

言ってしまった。

< 110 / 290 >

この作品をシェア

pagetop