薔薇色って何色?――ロト7で人生をやり直すはずが、敏腕弁護士の執着愛に捕まりました――
「……とにかく、近くないですか?」

私は小声で言いながら、まだ腰の近くにある陸斗さんの腕を見る。

未來と別れてから、もうそれなりに歩いている。

さすがに、そろそろ離れてもいいと思う。

でも。

「必要です」

またそれ。

「さっきから、そればっかりじゃないですか」

「何がです?」

「必要です、安全対策ですって。都合のいい言葉ですよね」

陸斗さんが少しだけ眉を上げる。

「恋人なんだから、普通だろ」

「……っ」

また。

反則。

しかも今度は、さらっと言った。

恋人のフリをしているだけのはずなのに、どうしてそんなに自然に言えるんだろう。

……ちょっと格好いいかも。

「……まあ、いいか」

「何がです?」

「何でもないです」

たまには、こんなのも悪くない。

そう思った自分に少しだけ驚いたけれど、今日は驚くことが多すぎた。

そのまま食品売り場を歩き、必要な物をかごへ入れていく。

もちろん、かごを持っているのも陸斗さんだ。

私が手を出せば、

「持ちます」

の一言。

「私、自分で持てますけど」

「知ってます」

「じゃあ返してください」

「嫌です」

「……何でですか」

「恋人なんでしょう?」

「だから、もう未來いないでしょう!」

言い返すと、陸斗さんがまた少し笑う。

絶対、楽しんでる。

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